2025.8.27
vol.03|”麦秋至”(ばくしゅういたる)
麦秋至 ― 初夏に訪れる、もうひとつの“秋”
「麦秋至(ばくしゅういたる)」という言葉を耳にする機会は、あまり多くないかもしれません。
暦の中で、麦が実りの時を迎える初夏をこう表現します。
“秋”といいつつ、宮崎ではまだまだ夏本番。
強い日差しの下、黄金色の麦畑が夏の景色に凛とした輝きを添えます。
少し難しい言葉も、意味を知れば身近で懐かしい風景が新鮮に映ってくるものです。
暮らしに息づく、麦の恵み
宮崎の暑い夏には、冷えた麦茶が定番。
麦ごはんや麦味噌、麦焼酎など、麦は昔から日本の食卓を支えてきました。
何気なく口にしている中にも、実は生活の中でその恵みをしっかりと味わっているのです。
懐石に映す“麦秋”の景色
わらしべの懐石では、旬の恵みを重ねる中に「実り」のモチーフを忍ばせています。
麦の穂を思わせる盛り付けや、金色を帯びた器のあしらい。
ひと皿の中に「麦秋」の景色を忍ばせることで、料理の向こうに広がる風景を感じていただけるのです。
季節を知り、味わう楽しみ
「麦秋至」という言葉を知るだけで、ただ暑いだけの夏が少し違って見えてきます。
ただ暑いだけの夏も、黄金の実りを迎える季節だと思えばまた新しい顔を見せてくれる。
そして、わらしべではその季節感を懐石というかたちに映し、お客様にお届けしています。
暦を知るよろこびと、宮崎での夏。
その両方を味わっていただければ幸いです。